【大学編入記】電通大(一般・総合情報学科)

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(若干写ってる)

この記事は電気通信大学のH28編入試験の大学編入記です.大学編入記のまとめはコチラの記事になります.


はじめに

かなりギークなイメージのある大学です(だから志望しました).試験日が6月の4週くらいにあり,編入試験の中でも早い部類に入ります.その後に控えてる旧帝大等のためのならしとしてもいいと思います.実際に,試験会場では東大や東工大の滑り止めとして受けている人が多くいるように見受けられました.

先に推薦試験があります.電通大が第一志望で,かつ推薦条件を満たしているようでしたら迷わず推薦で狙いましょう.推薦の口頭試問と,推薦で落ちた時のことも考えると,一般試験を受けるくらいの勢いで勉強すべきだと思います.


試験科目と対策

電通大の試験科目は数学,物理,英語で2日目に面接があります.数学,物理の過去問は大学のHPで公開されていますが,英語は公開されていません.欲しいならネット上を走り回りましょう.電通大の数学は意外と簡単です.きちんと問題の取捨選択をすれば7〜8割は取れると思います.物理は(昨年までは)参考書の例題レベルの問題で易しめです.英語は1年分しか見ていないのでなんとも言えません.

数学(120分)

数学は大問が5つあり,その中から4つを120分で解きます.【1】と【2】が線形代数の問題です.片方が難しくてもう片方が簡単って感じです.ベクトル空間や線形写像については毎年必ず出ているので勉強してください.【3】は微分系,【4】は積分系,【5】は複素解析の問題です.複素解析の問題は毎年似たような問題が出ているので,まず複素解析の問題を見てささっと解けそうならそれを解き,線形代数の難しい方を解かない,という感じでやるといいと思います.

物理/化学(90分)

自分は物理を選択するつもりだったので物理についてのみ書きます.物理は,過去4年くらいは大問3つを90分で解きます.過去4年だと【1】が力学,【2】が電磁気,【3】が熱力学という構成です.ただ,H23だけは違っていて,同じ90分で大問が4つあり,【4】で現代物理学の分野が出ました.電通大の物理は一応全ての分野が範囲になっているので,波動も含めたこれらの分野をひと通りやっておくと安心です.

英語(90分)

英語に関してはあまり情報がなく,よくわかりません.試験時間は90分です.僕が見たH23の問題では,【1】がA4 3.5ページくらいの長文を読んで15個の4択問題に答える,【2】でA4 1ページくらいの長文を200文字の日本語で要約する,【3】で与えられたテーマについて英作文を書く,って感じでした.使われている単語はそんなに難しくないです.


試験結果と詳細

数学

【1】線形代数
この大問は選択していないので省略します.

【2】線形代数
ある線型写像が与えられて,それについて\textit{Ker} \, fや表現行列,および表現行列の固有値を求める,電通大ではよく出題されるタイプの問題です.定義通り計算していけば解けます.

【3】微分
(1)2変数関数の偏微分
チェインルールを適用しつつ計算していけば解けます.
(2)2変数関数の極値
こちらも定義通り計算していけば解けます.関数fの偏微分f_{x}およびf_{y}がともに0となるx, yの値を見つける際に若干詰まると思いますが,\sinおよび\cosの定義と与えられた定義域に注意しながら計算すれば大丈夫です.

【4】積分
(1)変数変換して解く重積分
u=x+y, v=x-yと変数変換すれば解けます.与式の分母のx^2-y^2(x+y)(x-y)と因数分解すればいいです.
(2)極座標変換して解く重積分
極座標変換して,定義通り計算していけば解けます.

【5】複素解析
(1)留数
定義通り計算していけば解けます.
(2)留数定理を用いて複素積分する際に必要な不等式の証明
問題集によく乗っているような問題です.徹底演習の電通大の例題を参考にして解けばいいです.
(3)留数定理を用いて広義積分
(1), (2)を用いて複素積分するだけです.この大問は例年に比べると例題レベルで易しかったと思います.

先の作戦が大成功でした.計算ミスがなければ多分満点とれていると思います.試験直前になんとなく徹底演習にのっている電通大の複素解析の問題を解いていたのですが,それとほとんど同じ内容の問題が出たのでラッキーでした.40分くらい余って問題を解き終わりました.

物理

【1】力学
[壁-バネ1-おもり-バネ2-壁]のようにバネに繋がれているおもりについての問題です.前半はおもりの運動方程式を求め,さらに振動を特徴付ける角周波数を求めた上で位置x(t)および速度v(t)の式を求める問題でした.後半は先の状態に水を加え,抵抗力のある振動の運動方程式を解くという問題でした.問題の意図をうまく汲み取れず,後半は自信がないです.最後の小問のおもりの位置の様子をグラフに示せという問題は,前の小問等はガン無視して,常識的にこうなるだろうなというグラフを減点覚悟で書きました.

【2】電磁気
パッと見て現代物理学の問題かなと思いましたが電磁気の問題でした.電荷を電位差Vで加速して一様な磁場が印加された質量分析室に入射され,そこでの挙動について調べる,という問題でした.小問(1)~(4)までは運動方程式(連立微分方程式)を立ててそれを解いていくというオーソドックスな問題でしたが,最後の小問が試料物質の化学式を求めるという,一風変わった問題でした.確か時間がなかったので捨てたと思います.

【3】熱力学
ある熱機関のサイクルとカルノーの逆サイクルを組み合わせた機関に関する問題でした.問題自体は正味の熱を求めたり熱効率を求めたりとオーソドックスな問題だったのですが,当時は逆カルノーサイクルの演習が不足していて頭がこんがらがってしまい,ほぼ全ての小問について自信がありません.過去問は5年ほど解いていましたが熱力学の問題としては一番難しかったです.

物理は大爆死でした.傾向が変わりまくっていて,3つの大問どれも完答できていないです.【3】の熱力学なんて下手したら0割かもしれません.横耳で聞いている感じだと,他の受験者もほとんどできていないようです(唯一できたと聞いたのがモンゴル人の留学生の人くらい).「振り子が出たら死ぬ」と言っている受験生がいましたが,むしろ振り子のほうが出て欲しかったです.出来は4~5割.

英語

要約すると,「いい成績修めたいならいっぱい寝てね」という長文でした.睡眠時間を削って受験勉強している受験生にとってはグサグサ来たんじゃないかなと思います.A4 2.5ページほどの長文の後に,長文内容について日本語で答える問題が4問ほどあり(それぞれ40~60字指定),最後に長文に関連した自由英作文をするというものでした.自由英作文の細かい行数は覚えていませんが,1行1.25cmくらいの幅でA3(B4?あまり覚えていません)いっぱいに記述欄がありました.電通大の英語では毎年このような英作文が出ているようなので,テンプレートのようなものを覚えておくと楽できます.

英語は一応,全部埋めて英作文もしましたが,何分自己採点ができないので出来はよくわかりません.6割はとれているだろうなって感じです.

面接と口頭試問

面接5分,口頭試問10分という構成でした.僕の場合は先に面接、後に口頭試問という形式でしたが、人によっては先に口頭試問、後に面接という形式の人もいました。

面接
  • どこから来たの?
  • 志望動機
  • 志望コース
  • 他に受験する大学は?
  • 両方合格したらどっちに行くの?
  • ばいばい
口頭試問

問題が3つあって,どれでも好きなやつからホワイトボードを使って答えるというものでした.

  • さいころ🎲を投げる時のエントロピー
  • 2分探索の最高比較回数
  • n以下の素数を求める関数prime

面接では,他に受験する大学名と,両方合格したら別の大学に行く旨を正直に説明しました.口頭試問はかなりテンパッてしまい,今見るとめちゃくちゃ簡単なのにほとんど壊滅的です.素数の関数については口頭で説明すればいいだけなのに,血迷ってホワイトボードにプログラムを書きまくってしまいました.


合否

合格でした。総合情報学科の合格者は22人中8人でした。倍率は2.8倍ほどです。


おわりに

電通大の周りはラーメン屋が多いので晩ごはんには困りません.

kage

A student at Tokyo Institute of Technology. Programmer.

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